第68回日本臨床視覚電気生理学会 The 68th Annual Meeting of Japanese Society for Clinical Electrophysiology of Vision第68回日本臨床視覚電気生理学会 The 68th Annual Meeting of Japanese Society for Clinical Electrophysiology of Vision 会期:2020年9月19日(土),9月20日(日)会場:チサンホテル神戸,会長:中村誠(神戸大学医学部眼科学教室)

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会長挨拶

神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野 中村 誠
Let’s image 電気生理!

第68回日本臨床視覚電気生理学会

会長 中村 誠

神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野

このたび第68回日本臨床視覚電気生理学会総会を担当させて頂くことになりました。

「電気生理」と言えば、ERGが思い浮かぶ一般眼科医の皆様にとって、神経眼科、緑内障を専門にしております私が総会長を務めるのは畑違いに感じられる方も多いかと思います。しかし、視覚に関わる電気生理には、視覚誘発電位(visually evoked potential, VEP)、事象関連電位(event-related potential)、光瞬目反射(photic blink reflex)、瞳孔反射計(pupillography)なども含まれます。私はこれらの電気生理に関わってきた関係で、光栄にも今回のご指名を受けた次第です。

さて、考えてみますと、ERGにしろ、VEPにしろ、神経活動の際に生じる電気的反応を波形として可視化することで、視機能を表出する検査といえます。こうした手法のメリットは、視機能を他覚的に評価できるという点と細胞レベルでの病変の局在を明らかにできる点にあります。実のところ、近年、神経活動を生体内で可視化する方法は、革新的に発展しています。基礎的には光遺伝学や二光子顕微鏡等の開発により、文字通り「生きたまま」、グリア細胞や神経細胞の活動を見ることができるようになりつつあります。臨床的には光干渉断層計の著しい発展により、精細な網膜のlayer-by-layerの構造と機能の関連が露わになってきました。さらには、電気生理を治療に応用して、見えない患者を見えるようにするという比喩的な意味で「可視化」できる可能性も出てきました。

本総会は「Let’s image 電気生理!」というテーマの元、こうした急激な展開を見せる、電気生理の「可視化」を深く、そしてわかりやすく、学ぼうと目論見ます。特別講演には、神戸大学システム生理学分野の和氣弘明教授をお招きして、グリア細胞の生体内での挙動に関してご講演頂く予定です。また、シンポジウム「電気生理とimaging」を企画しました。シンポジストは、この領域に造詣の深い、栗原俊英先生(慶應義塾大学)、角田和繁先生(東京医療センター)、上野真治先生(名古屋大学)、三浦 玄先生(千葉大学)です。最先端の研究内容をご披露頂けることと思います。その他、一般講演もたっぷりとdiscussionの時間を設ける予定です。これまでの日本臨床視覚電気生理学会とは少し趣の異なった内容ですので、電気生理の専門家はもちろん、それ以外の先生方にとっても、有意義な内容になると確信しております。

もちろん、神戸と言えば神戸sweetsは欠かせませんし、共催セミナーも充実しています。学会ポスターも港町神戸を意識して、海の波と電気生理の波形をシンクロさせてみました。

どうか、神戸での臨床視覚電気生理学会に是非足をお運び頂き、「電気生理ってこんなに面白いんだ」、ということを体感して頂けますと幸甚です。多くの皆様のご来場をお待ちしております!


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